新規事業回顧録

意外な電話

忘れたころに その電話は来た。

かつての同僚の一人から、T製薬での電気工事の経緯

が知りたいとのこと。

仕様書や、先方へ提出した 電気工事の仕様と、実際

が大きく違うとのこと。

旧設備を廃棄して、場所移動などをしたとき 電気工事

のやりなおしか、旧設備の工事流用があったのではと

思うが、7年前のことで メールの記録も、すでに消去。

手がかりは、仕様書のみであった。

9月1日付けで、風の便りどおり T薬品の関連会社で

ある、W薬品に 10名が移籍して、事業を継続している

とのことで、噂は 事実であることは確認できた。

まずは、めでたしめでたし というところかな・・・

開発は、人がするもの というのを身に浸みて感じて

いるだろうなあ と 思わずにはいられない。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

事業売却 仰天の事実!!

信じられない事態が・・

風の便りの 噂は、本当で 日本最大の製薬企業

の子会社、W*薬品工業が 人員ごと買収に応じたと思え

形跡があり、めでたしめでたしかと 思いきや・・

10名強の半分は出向で、残り半分は転籍とのこと。

驚愕は、重要キーマンその人が本社のS革新本部へ転籍

してしまうことと、その転籍先の上司が かの失脚した

Q氏だった!!ことが分かった。

なんと、そこで何とかロボット開発を行うらしい。

Q氏 失脚して出て行った先も55歳以上は全員

退職勧奨で、どういう手を使って、本社へ転籍できた

のか・・あきれた というより一週間で馬脚を現わすのが

関の山とおもうのだが、しかし、会社は見る目がない。

また転籍していったキーマンのH君も、自分の生んだ

新製品を生かす先より かのQ氏へ吸い寄せられる

など まあ どういう神経なのか。

Q氏がeチャレンジを悪用して、出来レースを仕組み、

H君は誘いに応じたんだと思うが・・

世の中、信じられないことが起こるもんだ!!

でも、良く考えると 過去の行動パターンからして、猟官

運動には長けていいても不思議ではないが・・Q氏

そこまでやるかなあ~ というのが、みんなの反応

だった。

|

創薬ロボット事業の引き受けてが・・

なかなか、引き受けてが見つからなかったが

どうやら、決まりそうと 風の便りが・・このブログに

引き受けてとおぼしき某社からのアクセスが急増・・

海外ではなく、国内になったらしい。

開発中止で、塩漬けの二種類の開発機も ゴミ

にならずに済む可能性が出てきたということか。

何十億円も投資してきて、ほんとうにドブに捨てる

ことになるのかと、残念でしかたなかったが、

本当なら、祝杯を上げなきゃね。

事業売却で、少しでも 開発投資の回収と、開発

資産の有効活用をしないと、社会への背信になる。

松下幸之助の理念は、どのようなかたちであれ

社会貢献をする、これに尽きる。

|

信じられない・・最重要人物の離脱

この件 詳細は、9月1日付けで公開予定。

当人から、転籍の 挨拶メールは来たが、返答のしよう

がなかった。

この人なしで、事業売却しても 開発が継続可能か?

深刻を通り過ぎて まさに、憂慮すべき事態である。

|

失業した ぞ!

晴れて、自由の身になった。

退職日までに死亡すると、早期退職の加算部分

がカットされるとのことで、家族を考えると やはり

行動が慎重にならざるを得なかった。

黄金の日々は終わり、黄昏の景色ではあるが、

幸い 借金は返し終わったばかえりだし、自宅

のリフォームも1年前に済ませたし、車もあと10年

は乗れそうなので、まずは ユックリと思いきや・・

さあ、次の10年あまり強に向けて、始動だ!!

短気な性格が、凝縮されてきたかな?

郷里の雲仙に、メガソーラを誘致するNPOを

立ち上げようと、各方面に交渉していたが、少し

前進しそうである。

NEPS なる 特定非営利法人の世話人として

名刺まで作ったから、なんとなくそれらしく見える。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

退職まで あと4週間

昨日、24日までに 机の内容物を撤去せよ、という

メールが来た。事業所閉鎖で、27日から引越しを

するそうだ。

ということは、27日の週は 転進支援プログラムの適用

される人は、出社しても 机はないし、仕事もないことに

なる。

28日停年式があり、30日と31日は最終出社の日に

設定しているが、意味がなさそうである。

なんとも、寂しい最後になりそうな予感あり。

31日に退職のご挨拶に、社内を廻ろうと思っても、主な

方々は、すでに引越してしまっている可能性が大・・

拠点閉鎖でもこうだから、会社が潰れる時は、もっと寂し

い状態になるのであろう・・こういう日が 移転先で繰り返

されないことを願うのみである。

|

本音は今のビジネスモデルに執着

結局のところ、新規事業とはいえ 儲かっている事業の

ビジネスモデルから、脱却できなかったことが、敗因と

思う。

前提1:1台の単価が数千万から1億円

 これは、開発費の回収と 営業人員がさほど不要と

 いうことを重点に考えていた。

前提2:FA技術の水平展開

 開発投資を抑え、強みの技術だけで新規事業に参入

 これは、使い古した陳腐化した技術で、新規事業!

前提3:サービスが最も重要なのに、サービス軽視の参入

 数名で、サービスできることが前提条件だが 顧客は

 サービスが最重要と考えていたのは、分かっていた。

結局のところ、最小限の投資で 単価の高い、サービス

体制も整えないで済むものを探していたことになる。

FAは、これで儲かってきたが、まさに 今 惨憺たる状況

に陥っている。

単価の高い、高級機路線は 経済恐慌下では 最初に

設備投資から外され、ビジネスモデルがなりたたない

状況に陥っている。

もう、チーズはそこにないのに である・・

|

1997年当時の新規事業のネタ回顧

1、介護機器で介護ベッドなど

 高齢化社会の到来を予見、有力候補のひとつであった

 が、あまりに単価が安く FAの業態にミスマッチと判断。

 現在、パナソニックスピンアップファンドで取り組んでいる

 介護アシストロボットは、遠くはこの時代にも芽はあった。

2、太陽光発電パネル製造装置

 装置産業ということで、半導体組み立てロボットの技術を

 応用しようという発想。

 当時、大型プラズマパネルの組立てロボットが50インチ

 対応であったことからの着想。

 FA機器としては、付加価値が低いということで断念。

3、プラズマ加工機器

 これは、現在 事業化に成功しつつあるので割愛。

4、生ゴミ処理装置

 業界が違うということで、断念。

 しかし、他のドメインでは事業化が達成している。

5、医薬品業界の工場自動化機器

 個別性が強く、かつ単価が安いのに、厚生労働省の

 規制対象ということで、調査までで終わる。

6、医薬品研究機関向け、自動化支援機器

 FAの強みが生かせ、業界の潜在ニーズもあるが、

 FAから見ると、飛び地でうまく行くか?

などなどであった・・

1台が数千万で、高付加価値自動化機器 という商品は

なかなか、見当たらなかった。

|

新規事業 失敗の自己分析

なぜ、新規事業を継続・発展させることができなかった?

1、マーケッティングの不十分

 市場へ参入するにあたり、売れるしくみの構築不十分。

・潜在的に市場はあるのか?、顕在化できるのか?

 市場規模と、将来性は?伸びる分野か?

・ユーザへ、何を利点をに訴求するのか?

・ユーザの課題は何か?何を解決するのか?

・手持ちの技術とのギャップは何で、不足であればどう

 強化するのか?

・何を売るのか?機械なのかサービスなのか?

参入当時、このようなポイントを、事前評価したという

記憶がある。企画書の要件でもあるのだが・・

が、どうしても 市場の要望がどこにあるのかかが

薄もやがかかって、調査しきれないでいた。

どうやら、創薬支援機器の市場自体はあるらしいが

ということで、先行調査を目的に 自動化機器を駒に

市場参入を図り、正確な情報を入手可能になってから

本格的な出口探し=主戦場の設定をするという戦術

を採用した。

これが、マーケッティングという視点でとった戦術だった。

次回、1997年当時の、新規事業の候補を思い起こして

もし、そちらを採用していれば と反省してみよう。

|

そもそも 動機が問題だったのか?

新規事業に取り組むには、前回に説明した前提が

そもそも、問題があったと考えざるを得ない。

保有技術が生かせる、これは言い換えれば古い技術

で、新規事業に挑むということに他ならない。

医薬の開発現場は、そのような使い古した技術が役

に立つことはない、というのは言いすぎだが、研究者か

見れば 先進性はなく、その使い古した技術から、

国に優位の手段が期待できるかというと、そうではない、

と 時々言われてきた。

FAの自動化技術など、どこでもできる。であれば、廉価

に提供するか 他にない技術を引っさげて来てくれないと

新参者を購入する理由にはならない。もっともである。

海外製品なら、その説明が不要だし 某国の某研究機関

購入した、というだけで 購入の決裁は下りる、と・・

これは、主体性の無さを絵に描いたようなものだが、予算

獲得のテクニックとしては まあ、しょうがないのであろう。

また、投資が過大でない という前提も、今 思い返せば

適切な判断基準であったのか、疑問が沸く。

これは、新規事業にかける意気込みが、本気ではないとい

うことの裏返しであり、退路を用意することに他ならない。

次回は、他社の新規事業参入の成功事例・失敗事例を

冷静に見てみようと思う。

|